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【Closed】長田奈緒|遠ざかった同じもの

Nao Osada|The same things are invisibly distant.
July 24, 2016 - September 11

・会期:2016 年 7 月 24 日(日)- 9 月 11 日(日) ※ 毎週日曜日 12:00 – 19:00 オープン
・オープニングレセプション:7 月 24 日(日)17:00 – 19:00

Open Letter では、第 5 回目の企画展示として、長田奈緒 個展『遠ざかった同じもの』を開催いたします。身の回りにある日用品のイメージをボール紙や板、布といった様々な支持体にシルクスクリーンで精巧に印刷し、それらを組み合わせて空間を構成する展示となります。

また、本展と時期を同じくして、長田は丸ビルで開催される「アートアワードトーキョー 丸の内 2016(a.a.t.m.)」にも参加します。(7 月 25 日〜 8 月 3 日)

a.a.t.m. には、全国の主要な美術大学・芸術大学・大学院の卒業制作の中から選抜された 20 名の作家が参加します。こちらも併せてご覧ください。

[ 新作 ] bubble wrap (gray): 2016, screenprint on paper

[ 新作 ] bubble wrap (gray): 2016, screenprint on paper

長田奈緒は、2016 年に東京藝術大学大学院美術研究科修士課程を修了、現在は同校に教育研究助手として勤めながら作家活動を行っています。

「見えているもの / こと、その在り方」をテーマに、手書きのメモや凡庸的な洋服、テッシュなどの日用品といったアノニマスなモチーフを撮影し、その写真をシルクスクリーンによって様々な支持体に転写、それらを空間に合わせて組み合わせる長田の作品は、先の修了作品展でも好評を博しました。

untitled, water color on paper, 180 mm × 130 mm, 2014

今年 1 月の東京藝術大学大学院での修了作品展の様子。輪ゴム、エアパッキン、マスキングテープなど日用品をワンポイントで印刷した板や布といった支持体の組み合わせによるインスタレーション。

修了作品展より

修了作品展より

修了作品展より

修了作品展より

長田は、自身の作品について「目の前のそれが何であるか分かるよりも先に、ただその見えていることに魅入ってしまうような瞬間を留める試み」と表現しています。

作品に使われる日常的で匿名的なモチーフは、それ故にモチーフに対する鑑賞者の記憶、解釈を誘発させます。同時に、そのモチーフの在り方 ー 撮影されることで視覚的な表層のみが切り取られ、シルクスクリーンによりフラットに転写された状態 ー とのギャップによって、記憶と解釈の輪郭はずらされ、あるいは消され、不確かなものになります。2016 年 1 ~ 3 月に Open Letter で開催された記憶を共通テーマにしたグループ展 “Memories / Things” でも、そうした記憶と見えているものとの関係性のギャップを軽やかに問う作品を展示しています。

Open Letter でのグループ展 “Memories / Things” より。ボール紙に刷られているのはチェック柄のシャツのイメージ。反対側のボール紙にはストライプ柄のシャツのイメージが刷られている。2 枚のボール紙はお互いを支えるように立っている。

本展の作品について、長田は次のように言います。

見えているものを一度、写真に撮り、シルクスクリーンによって別のもの(支持体)に移し替えることで、ものの存在のイメージだけを捉えられるんじゃないか、と思っています。さらにそれを(インスタレーションとして鑑賞者の目の前に)構築することで、元のもののイメージでもあると同時に、別の新しいものでもある、そういった不思議な感覚を興味深くとらえ、制作しています。(長田奈緒)

アトリエにて制作中の長田。淀みないテンポで作業を進める。

アトリエにて制作中の長田。淀みないテンポで作業を進める。

[ 新作 ] bubble wrap with a green tape: 2016, screenprint on panel, satin

[ 新作 ] bubble wrap with a green tape: 2016, screenprint on panel, satin

[ 新作 ] bubble wrap with a green tape (detail)

[ 新作 ] bubble wrap with a green tape (detail)

[ 新作 ] cane chair: 2016, screenprint on satin

[ 新作 ] cane chair: 2016, screenprint on satin

本展 “遠ざかった同じもの” で展示される作品には、修了展でも使われた、作家自身の周りにあるもの(作品制作や梱包に使われるエアパッキン、マスキングテープ、養生テープなど)のモチーフのイメージが何度も使われています。

一見本物と見紛うような精緻なイメージが、いくつもの異なる支持体、構成のもとに繰り返し現れるその様子は、逆説的にイメージと見る人との間にある一定の距離感をあぶり出しているように見えます。

この距離感を感じることが、長田の言う「ものの存在のイメージ」を捉えることであり、「ただそのものが見えている、その瞬間を留める試み」なのでしょう。 理解する前に見えていること、そのあり方。本展を通して、感覚を巡らせてもらえると幸いです。

Biography

[ 新作 ] cane chair: 2016, screenprint on satin

1988 年生まれ。2016 年東京芸術大学大学院美術研究科修士課程修了。2013 年から 2014 年まで、ウィーン応用芸術大学に交換留学生として在籍。

個展
2016 ”遠ざかった同じもの”(Open Letter / 東京)

グループ展
2016 ”Memories / Things” (Open Letter, 東京)

2015 ”Thinking Print vol.4 – コラージュと版画、そして写真“ (京都嵯峨芸術大学附属ギャラリー / 京都)

2014 ”くわばらくわばら Touch Wood” (在日オーストリア大使館 / 東京)

2013 ”第 4 回 NBC メッシュテック シルクスクリーン国際版画ビエンナーレ展” 美術家連盟画廊 / 東京、他

2013 “第 7 回 大学版画受賞者展” (文房堂ギャラリー / 東京)

2013 ”NCC Shizuoka 2013 オミアゲ” 静岡市クリエーター支援センター (CCC) / 静岡 2012 ”TURNER AWARD 2011” (ターナーギャラリー、他 / 東京、大阪、仙台、札幌)

パブリックコレクション
町田市立国際版画美術館(東京)

Tophane-i Amire Cultural Centre(イスタンブール)

アーティストWebサイト