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河合 浩|Heavy Slices, Light Nights

Yutaka Kawai | Heavy Slices, Light Nights
March 28 - April 25, 2026

河合浩 web top

2026年3月28日(土)より、河合浩さんの個展《Heavy Slices, Light Nights》を開催します。Open Letterでの個展は、2022年の《Forgotten Times》以来、4年ぶり2度目となります。

河合さんは、栃木県益子町の古い一軒家を拠点に、膨大な量のドローイングとペインティングを描き続ける画家です。特定の美術的文脈や理論との接続を志向するわけではなく、本人が言う「野良の画家」として、制作と生活が結びついた場所から作品を生み出してきました。そのあり方は、現代美術の制度的な回路からは一定の距離を置きながらも、日常と創作の境界をめぐる問いという点で、今日的な実践の地平に確かに位置しています。

前回の展示から4年。以前は毎月のようにあちこちで個展を開いていましたが、最近は制作のペースが少し落ち着いてきたと言います。過去の自分と対話するように古い作品に筆を加え、道端で拾ったものに色を乗せる。それはある意味で、作品を「完成品」として固定することへの抵抗であり、時間をまたいで更新され続ける絵画観のあらわれとも読めます。

同時に、河合さんの制作は、否応なく「外」と接続しています。凍った蛇口、布団に入り込んでくるザネ(飼い猫)の温かさ、確定申告の煩わしさ。ラジオから流れる選挙結果のニュース、やまない戦争。それらはすべて、切り離せないものとして同じ一つの日常に並んでいる。「くそみたいな選挙にも行く」し、「とりあえず絵を描くことくらいしか自発的にできない」と言いながら、それでも淡々と筆を動かす。その姿勢は、制作をある種の政治的身振りとして大文字化することとも、また現実から目を背けることとも異なる、もっとひそやかで持続的な態度です。ままならない世界の中で自分自身のバランスを保ち、正気で生きていくための、しごくパーソナルな生存の作法のようにも思えます。

今回の展示タイトル《Heavy Slices, Light Nights》は、そんな河合さんの制作感覚を映し出せるのでは、と思い考えました。時に重たく、しんどい日々の断片。それでも夜はやってきて、また当たり前のように明けていく。その繰り返しの中で積み重なった平面作品と立体作品を、会期中に益子から随時届けられる新作も交えながら、ぜひご覧ください。


河合さんのInstagramより。

あまりそういうことってないのだけど、チューブから出した割と大きめな絵の具の塊が落下してチノパンの裾のあたりにべとりと付いた。日頃は日常での汚れが付いてこそ俺の服、なんて思っているとこあるのに、そのチノパンにはまるで絵の具が付いてなかったからかわからないけれど、急いで脱いで洗った。急いで脱いだりしたものだからほかのとこにも移ってしまっていた。そんなことを切っ掛けにして何だかやる気のようなものが消えて自暴自棄のようなやつがやってくる。まあでも描く。たぶんそろそろオイル交換なのに行ってないとかあまり合わない気がする人間とのやりとりとか掃除を全然やってないとかSNSで見た高市早苗とかそんなことがそういう方向へと引っ張っていく。無理にやる必要などまるでないが、手を動かせば何かが出来てはいくし、自分のそんな感情もあまり信用は出来ない。オイル交換は行けばいいだけなのになぜだろう向き合いたくない。なんかやたらヘリコプターの音がして家族ゲームを思い出す。チョコレートばかばか食べて、俺は苺を買いに行く。


展示概要

  • 展示タイトル:Heavy Slices, Light Nights
  • 展示作家:河合 浩(かわい ゆたか)
  • 期間:2026 年 3 月 28 日(土)〜 4 月 25 日(土)
  • 営業時間:期間中の金曜・土曜 12~18 時
  • 鑑賞料:¥500(近隣の方、または高校生以下は無料)
  • オープニング レセプション:3 月 28 日(土)13 時頃より、ご近所のタチアナ焙煎所の山下テルさんの出張コーヒースタンド「Thursday Coffee Stand」が美味しいコーヒー、ドリンクをサーブしてくれます。